現在、日本の特定技能制度において、一定数の受け入れが継続している安定的な送り出し国であり、国家としても出稼ぎ労働者に対する支援体制が非常に充実している一方で、政府の関与が強く、申請手続きや書類審査が他国と比べても極めて厳格かつ煩雑で、受け入れまでに多くの時間を要する国でもあるフィリピンのご紹介です。
そこで今回は、フィリピンとはどのような国なのか、どのような国民性や特徴を持つ人々なのか、そして特定技能の申請をする際に必要なフィリピンならではのルールはあるのか?を分かりやすくまとめたいと思います。

まずはフィリピンの基本情報になります。

正式名称:フィリピン共和国

首都:マニラ

人口:約1.1億人

面積:約30万 km²(日本の約8割)

言語:フィリピノ語、英語(ともに公用語)

通貨:フィリピン・ペソ

日本との時差:-1時間

飛行時間:直行便で4.5~5時間

宗教:国民の約9割がキリスト教徒で、その多くがカトリック

社会・文化の特徴

◆ 家族・人間関係を非常に大切にする

家族・親戚のつながりが強く、仕送り文化が根付いていて、困ったときは助け合う「バヤニハン精神(相互扶助)」があります。

◆ 明るくフレンドリーな国民性

笑顔が多く、初対面でも打ち解けやすい。職場でもチームワークを重視し、人間関係を大切にする方がいいのが特徴です。

◆ 宗教の影響が強い(キリスト教中心)

国民の約8~9割がカトリックで日曜日の礼拝や宗教行事を大切にする人も多いです。

経済の特徴

フィリピンはサービス業を中心とした経済構造を持ち、安定した経済成長を続けています。人口が若く労働力は豊富ですが、国内の雇用が十分でないため海外就労が一般的です。海外就労者からの送金はGDPの約10%を占め、重要な外貨収入として経済を下支えしています。日本との経済的な結びつきも強く、日系企業の進出や人材交流が活発です。なお、BPO産業とは企業の業務の一部(コールセンター、IT、事務処理など)を外部に委託する産業で、英語力を活かせる分野としてフィリピン経済の中核を担っています。

その他の特徴

フィリピンは政府主導で海外就労を支援・管理する制度や組織が整備されています。というのも、フィリピンでは海外就労は個人の収入確保にとどまらず、国としての外貨獲得政策の一環と位置づけられています。そのため政府はDMW(旧POEA)などの組織を通じて、海外就労者の送り出しや保護を制度的に支援しています。こうした背景から、フィリピン人にとって海外、特に日本で働くことは一般的で現実的な選択肢となっています。そしてフィリピンでは英語が公用語の一つとして広く使われており、街の標識、公共機関、空港、商業施設の案内表示の多くが英語表記です。

フィリピン人は失踪率が低い

特に技能実習の失踪率はかなり低いのが特徴です。というのも前項にも述べました通りフィリピン人は海外就労者を支援・管理する制度が整っているので、政府から「君のためにここまでやってあげたのに失踪なんてしたら今後海外で働けなくなるよ!いいの?」と言われているようなもんで、自分のためにも自分の家族のためにも失踪はそう簡単に起こりません。ちなみにフィリピンは日本の受け入れ企業にも強気です。他の国の特定技能では採用できてもフィリピンだと「その条件では送り出せません」なんてことも珍しくありません。

フィリピンならではの特定技能申請時のポイント

他国と比べて、とにかく手続きが非常に煩雑で手間がかかる

正直、フィリピンの受け入れは他の国と比べてめちゃくちゃ大変です。書類は多いし、手続きは複雑だし、とにかく時間がかかる。しかもMWOだのDMWだのOECだの、関わる組織が多すぎる。「まだあるの?」って思うくらい確認や承認が続きます。ざっと日本側で意識しないといけない組織や制度をあげると

・MWO(Migrant Workers Office)
日本側で雇用契約や受入内容を確認・認証する在外フィリピン政府機関

・DMW(Department of Migrant Workers/旧POEA)
フィリピン政府の主管省庁。海外就労全体の管理・承認を行う

・OEC(Overseas Employment Certificate)
フィリピン人労働者が出国するために必須の「海外就労許可証」

・PDOS(Pre-Departure Orientation Seminar)
出国前に受講が義務付けられる研修(労働条件・権利保護など)

そして最終的にCOE申請(※COE申請とは、「この人を日本に入れていいですよね?」と入管に事前チェックをお願いする手続きのこと。
正式には在留資格認定証明書の申請で、日本に入国するための許可取りです。)をするのですが、このCOEとOECが紛らわしい。。。

まとめ

今回のまとめ

  • 家族のため、仕送りのため、が働くモチベーションの国民性、そして外貨取得のために政府も積極的にサポート
  • 他国と比べて手続きが圧倒的に煩雑
  • 政府の関与が強く、審査が非常に厳格
  • その分、失踪率は非常に低く、制度的な信頼性は高い

ここまで赤裸々に書くとあまり積極的にフィリピン人を採用したい企業はいないのではないか、と思う方もいるかもしれませんが、実際はフィリピン人を採用したい会社様も多数いらっしゃいます。やはり英語が話せる失踪が限りなく少ない、は大きなアドバンテージなのではないかと思います。
あとは、ここまで手続きが大変なフィリピンの受け入れをちゃんと支援できている登録支援機関は、正直そこまで多くないと思います。それなりに体制を整えていないと、まず回らないのが現実です。

Step In Globalではフィリピン人特定技能者の受け入れや支援をご希望される企業様のご相談を承っております。
ぜひお気軽にご連絡ください。