工業製品製造業分野の特定技能は、機械加工や部品製造など製造現場の中核業務を担う人材を受け入れる制度です。技能実習からの移行者が多いのが特徴です。
今回は、特定技能の工業製品製造業の受け入れる際になぜ技能実習からの移行が多いのか?そして受け入れるための準備に何が必要なのか?をポイントに解説したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

なぜ技能実習からの移行が多いのか?

まず技能実習で従事できる職種や作業は現在、91職種168作業あります。

このうち特定技能へ移行できる職種、作業はたくさんあります。
6 機械・金属関係(17職種34作業)は、原則として工業製品製造業分野の特定技能へ移行可能であり、溶接作業なども同分野での受け入れ対象となります。ただし、受け入れにあたっては、後述するJAIM(工業製品製造業分野の業界団体)への加入が必須です。JAIM加入時には、企業の受け入れ体制や特定技能人材の具体的な作業内容、製造している製品の内容などについて確認が行われます。
ということで、技能実習で「金属加工・機械加工・組立・溶接・検査」系の作業をしていれば、特定技能「工業製品製造業」への移行対象になる可能性が高いです。もちろん技能実習を経験していなくても特定技能試験に合格すれば(工業製品製造業分野の特定技能評価試験に合格・日本語能力試験(N4以上等)に合格)特定技能人材の受け入れは可能です。

JAIM(工業製品製造業分野の業界団体)への加入が必須

以前は、業界団体に加入することが必須であったものの、一度加入すればその後はほぼ何もしなくてよい状態でしたが、特定技能の人材が増えてきたことからか、新しい協議会のJAIMが2025年6月に発表されました。2026年1月からはJAIMに加入、賛助会員にならないと特定技能の申請ができない(審査がおりない)ことになりました。年会費も中小企業であれば60,000円になり、建設業のJACに比べれば大したことない金額にはなりますがそれでも今までは無料だったので企業の負担にはなると思います。
そして、JAIMの書類作成の準備期間や申請後の審査期間を含めると、全体で1か月~長くて2か月程度かかると想定されます。
そのため、特定技能人材の募集や面接を行う段階から、JAIM登録の手続きを並行して進めていくのが望ましいでしょう。

JAIM加入時の審査で見られるポイント

JAIM加入時の審査は、「この会社が工業製品製造業として、特定技能人材を適正に受け入れられるか」を確認する実務審査です。
入管よりも現場・中身重視なのが特徴で、主に次のポイントを見られます。

① 会社が「工業製品製造業」に該当しているか

最も重要なポイントは、自社が工業製品製造業として実態のある事業を行っているかという点です。
具体的には、自社で製造している製品の内容や製造工程(工程図・フロー)、日本標準産業分類上の位置づけが確認されます。
単なる下請け作業にとどまっていたり、修理・保全・据付業務が主となっている場合は、工業製品製造業としての適合性が認められず、この段階で審査が止まることがあります。

② 特定技能人材の作業内容の妥当性

技能実習から特定技能への移行可否も含め、作業内容はかなり細かく確認されます。
機械加工・溶接・組立・検査といった業務が、製造工程の一部として位置づけられているか、また補助作業や雑務が中心になっていないかがチェックされます。
あわせて、作業範囲が過度に広すぎたり、逆に限定的すぎたりしないかも確認され、工業製品製造業分野で認められる業務内容かどうかをJAIM独自の基準で判断されます。

受け入れができない主なパターン

工業製品製造業分野の特定技能では、製造現場以外での就労が中心となるケースは受け入れ対象外となります。
例えば、建設現場などでの据付・取り付け・現場対応作業が主業務となっている場合は、製造業ではなく建設業に該当すると判断される可能性があります。
また、修理・保全・メンテナンス業務が中心であったり、工場内でも補助作業や雑務が大半を占めている場合は、工業製品製造業としての適合性が認められません。
このような場合、JAIMの審査において「工業製品製造業で許される業務ではない」と判断され、受け入れができないことがあります。

まとめ

今回のまとめ

  • 技能実習で金属加工・機械加工・組立・溶接などから特定技能に移行する人材が多い
  • JAIM(工業製品製造業分野の業界団体)への加入が必須で、年会費がかかり、審査も厳しめ
  • 自社がJAIMに加入することができるのか?自社の事業の実態や作業内容をきちんと伝える必要がある
  • JAIM手続きに時間を要するため、採用活動と並行して進める必要がある

あくまでもJAIMの登録は企業がやらないといけないので申請を登録支援機関にお願いすることはできませんが、補助的な役割でお手伝いすることは可能です。

関連リンク: 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)

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