宿泊分野における特定技能人材の受け入れは、深刻な人手不足が続く宿泊業界において、即戦力となる外国人材を確保するための制度です。インバウンド需要の回復を背景に、フロントや接客、清掃など幅広い業務を担える人材が求められています。日本の「おもてなし」を支える存在として、全国の宿泊施設で活用が進んでいます。
今回は特定技能、宿泊分野で受け入れるためのポイントやどのような人材が適しているのか?お伝えしたいと思います。
業務範囲が比較的広いが調理はできない
フロント業務や接客、レストランサービス、客室清掃など、宿泊施設内の幅広い業務を横断的に担当できるのが特徴です。繁忙時間帯や人手不足の状況に応じて柔軟な配置が可能なため、現場の運営効率向上につながります。一方で、宿泊分野の特定技能では調理を主業務として行うことは認められていません。盛り付けや食材の下処理など、あくまで調理補助業務に限定されます。
本格的な調理やメニュー作成を任せたい場合には、特定技能「外食業」の活用が有効です。
調理業務に幅広く従事できるため、宿泊施設内の飲食部門でも即戦力として活躍が期待できます。
関連リンク: 外食産業(レストラン・飲食店など)分野における特定技能人材受け入れの特徴
技能実習からの移行もできる
特定技能「宿泊」は、技能実習からの移行が可能な分野であり、実際にも多くの移行事例があります。特に宿泊分野では、日本の職場環境や接客マナー、業務の流れをすでに理解している技能実習修了者が即戦力として評価されやすく、企業側・本人双方にとってメリットの大きい制度です。
宿泊分野に対応した技能実習を2号まで良好に修了している場合は、特定技能評価試験および日本語試験が原則免除となり、在留資格変更のみで比較的スムーズに特定技能「宿泊」へ移行することができます。
技能実習経験がない場合(新規受け入れ)
技能実習の経験がない人材を特定技能「宿泊」として受け入れる場合は、国内・海外を問わず、宿泊分野特定技能評価試験および日本語試験への合格が必須となります。宿泊分野特定技能評価試験では、フロント業務、接客対応、客室清掃、館内案内、衛生管理など、宿泊施設で働くうえで必要となる基礎的な実務知識が問われます。
あわせて、日本語能力試験N4相当以上、または国際交流基金日本語基礎テストへの合格が必要となり、接客を伴う分野であることから、簡単な会話理解や業務指示を正しく把握できる日本語力が求められます。
これらの試験に合格したうえで、受け入れ先企業の要件確認、雇用契約の締結、支援体制の整備を行うことで、特定技能「宿泊」として在留資格の取得が可能となります。なお、技能実習経験の有無および実習内容と宿泊分野との一致・不一致が、試験免除か受験必須かを判断する重要なポイントとなります。
旅館、ホテル側の受け入れ要件
宿泊業において特定技能人材を受け入れるためには、受け入れ企業側も制度上定められた要件を満たしている必要があります。
- 旅館業法に基づく許可を受けた宿泊施設(ホテル・旅館等)を運営していること
※簡易宿所や下宿のみの営業形態では対象外となります。 - 風俗営業等の規制に該当しない健全な宿泊施設であること
※いわゆるラブホテルは対象外です。 - 特定技能外国人に対し、接待を伴う業務を行わせないこと
※飲食を伴い、歓楽的な雰囲気で客をもてなす行為は禁止されています。 - 宿泊分野特定技能協議会に加入し、必要な協力を行うこと
- ※初めて特定技能人材を受け入れる場合は、入国後4か月以内の加入が必要です。
まとめ
本日のまとめ
- 業務範囲と調理の制限
フロントや接客、清掃など幅広い業務に従事可能ですが、調理は補助業務に限定されます。 - 技能実習からの移行・新規受け入れ
宿泊分野の技能実習修了者は試験免除で移行可能、新規人材は試験合格が必要です。 - 受け入れ企業の要件
旅館業許可の取得、健全な施設運営、接待行為の禁止、協議会への加入が求められます。
宿泊分野の特定技能は、訪日外国人の回復や円安によるインバウンド需要の拡大を背景に、本来は大きな活用余地がある制度です。一方で、日本語力や接客対応への不安、調理業務ができない点などから、他分野に比べて受け入れ人数は想定ほど伸びていないのが現状です。しかし、業務内容や制度要件を正しく理解し、適切な人材を選定することで、現場の即戦力として十分に活躍が期待できます。今後は、宿泊業の特性に合った人材受け入れと、安定的な定着支援がより重要になっていくでしょう。
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